白詰草は一途に恋を秘め、朝露に濡れる
適当な言葉で誤魔化されなかった。
ロゼリエッタは安堵し、告げられた事実を懸命に自分の中で噛み砕いて行く。
シェイドの、クロードの見ている景色と全く同じものを見ることはでないと分かっている。それでも少しでもいいから理解したい。強くそう思った。
「でもグスタフ王太子殿下がご即位なされたということは、お二人の弟君も最終的にはご納得されたからではないのですか?」
「そうであれば良かったのですが」
考え抜いた末に湧き出た疑問を訪ねるとシェイドは力なく笑う。
困ったように目線を逸らし、再びロゼリエッタを見つめた。
「お二人おられる弟君のうち、ことフランツ殿下と彼を次期国王にと尽力していた貴族たちはやはり納得はしていなかったように思います。御年も一歳しか変わりませんし、ご兄弟でフランツ殿下だけ母君が王妃殿下ではないことも大きな要因でした」
「ご兄弟の仲はよろしくなかったと?」
他の家、ましてや隣国の王家に関する話だ。
無神経に詮索することのないよう、注意深く言葉を選んで尋ねるとシェイドは軽く頷いた。
「少なくともグスタフ陛下とフランツ殿下の仲は良好とは言い難かったようです。グスタフ陛下ご自身は、たとえフランツ殿下と母君が違えどアーネスト殿下と分け隔てなく接していらしたとのことですが……マーガス殿下からの伝聞による情報ですから、お二人は非常に険悪な間柄だったと見る立場からの証言もあるかもしれません」
ロゼリエッタは安堵し、告げられた事実を懸命に自分の中で噛み砕いて行く。
シェイドの、クロードの見ている景色と全く同じものを見ることはでないと分かっている。それでも少しでもいいから理解したい。強くそう思った。
「でもグスタフ王太子殿下がご即位なされたということは、お二人の弟君も最終的にはご納得されたからではないのですか?」
「そうであれば良かったのですが」
考え抜いた末に湧き出た疑問を訪ねるとシェイドは力なく笑う。
困ったように目線を逸らし、再びロゼリエッタを見つめた。
「お二人おられる弟君のうち、ことフランツ殿下と彼を次期国王にと尽力していた貴族たちはやはり納得はしていなかったように思います。御年も一歳しか変わりませんし、ご兄弟でフランツ殿下だけ母君が王妃殿下ではないことも大きな要因でした」
「ご兄弟の仲はよろしくなかったと?」
他の家、ましてや隣国の王家に関する話だ。
無神経に詮索することのないよう、注意深く言葉を選んで尋ねるとシェイドは軽く頷いた。
「少なくともグスタフ陛下とフランツ殿下の仲は良好とは言い難かったようです。グスタフ陛下ご自身は、たとえフランツ殿下と母君が違えどアーネスト殿下と分け隔てなく接していらしたとのことですが……マーガス殿下からの伝聞による情報ですから、お二人は非常に険悪な間柄だったと見る立場からの証言もあるかもしれません」