白詰草は一途に恋を秘め、朝露に濡れる
「お久し振りにございます、レミリア王女殿下。この度は私の為にお心を砕いていただきありがとうございます」
声は震えなかった。
それだけで少し強くなれた気がして、心が委縮してしまわないうちに言葉を続ける。
「恐れながら、殿下にお伺いしたいことがあるのです。お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
会ったのなら彼女が知っているであろうことを確認しておきたかった。
確認したところで……という話ではあるし、それも秘密にされる事柄かもしれない。けれど、今を逃したらもう二度と聞ける機会はないだろう。その思いが躊躇いを抑え込んだ。
ロゼリエッタの申し出にレミリアは意外そうに目を瞠り、すぐに柔らかな笑みで答える。
「――分かったわ。とりあえず、先にこの部屋を出ましょう」
踵を返して先を歩くレミリアの後を黙ってついて行く。
隣の部屋はレミリアの衣装部屋らしく、たくさんのドレスが部屋中を鮮やかに彩っていた。そこから左右の壁に一つずつある扉のうち、右側のものを抜けると応接室に出る。
レミリアの私室の一つであり、ロゼリエッタはしばらくの間ここに滞在することになっているらしい。また後でレミリア自らが詳しく案内してくれるという。
声は震えなかった。
それだけで少し強くなれた気がして、心が委縮してしまわないうちに言葉を続ける。
「恐れながら、殿下にお伺いしたいことがあるのです。お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
会ったのなら彼女が知っているであろうことを確認しておきたかった。
確認したところで……という話ではあるし、それも秘密にされる事柄かもしれない。けれど、今を逃したらもう二度と聞ける機会はないだろう。その思いが躊躇いを抑え込んだ。
ロゼリエッタの申し出にレミリアは意外そうに目を瞠り、すぐに柔らかな笑みで答える。
「――分かったわ。とりあえず、先にこの部屋を出ましょう」
踵を返して先を歩くレミリアの後を黙ってついて行く。
隣の部屋はレミリアの衣装部屋らしく、たくさんのドレスが部屋中を鮮やかに彩っていた。そこから左右の壁に一つずつある扉のうち、右側のものを抜けると応接室に出る。
レミリアの私室の一つであり、ロゼリエッタはしばらくの間ここに滞在することになっているらしい。また後でレミリア自らが詳しく案内してくれるという。