sugar spot
"同期って、かけがえない存在だよ。"
あの人の、優しい言葉。
いよいよ新しく始まる私の社会人生活には、
全然それは当てはまりそうにない。
この男は、
絶対にそんな風には私のことを思ってないし。
「(……私だって、そうだけど。)」
そう心で思う度。
「おい。」
「……なに?」
未だ突っ立ったままの私を訝しげに呼ぶ男は、ゆっくりと薄い唇を開く。
「___お前、足引っ張んなよ。」
そう心で思う度。
胸がモヤついている気がするのは。
この能面が、もう兎にも角にも、
むっっっかつくから。
ただ、それだけだ。