ていおん
こうも、こうも呆気が無いものか。
僕の上で踊る姿に汗を流した。
幸せ、なのだろうと汗を流した。
ぬくもりや柔らかさや、
下半身に伝わるひんやりとしたものに汗を流した。
暖色の薄暗い照明に照らされたゆたう髪
赤褐色とも映える姿
普段の白いベールを脱がされた身体
少しギトッとした肌に
汗を流した。
あの心臓に響く音は何も生まない。
あの心臓と同じ音は何も生まない。
アルコール片手に僕を引く様は
やんわりと、ぼんやりと、
じわじわ僕をあたためる。
低音、低温、これはていおん。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

卒塔婆

総文字数/142

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

蛾

総文字数/272

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

寝首

総文字数/495

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop