りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
コウくんが何とか私を励まそうとしてくれている。
不器用で分かりにくい。その優しさが、ぐっと握られた手から伝わってくるから――。
「……あ、ありがと」
こんな年下の子の前で恥ずかしいけど。
本当に、今1人じゃなくて良かった。なんて、少しだけ泣きそうになる。
「そろそろ帰ろっか」
閉園の時間が近づいところでミサキ先輩達と別れた。
2人で話があるからと先輩が言っていたから、きっと"これからの話"なのだろう。
「サトシさん達、駅まで一緒に行かないんですね」
うん。ここに鈍感が1人。
「ここら辺、ライトアップされていい感じですし」
「……?」
「この後、ホテルでも行くんで……」
「2人で話があるんだってば!!」
コウくんのデレカシーの無い言葉を遮る様に声をあらげれば、そんな私を見て、コウくんが目を細めた。