りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
全く。本当に分かりにくいんだから。
そんなだから、彼女が出来ても続かないんだろうに。
私のすぐ右を歩くのはコウくんで、私の右手がまだしっかりと握られている。
この子を見上げてみれば、気恥ずかしいのかコウくんは私とは反対に視線を落とした。
「お腹減ったねー」
テーマパーク内では、出店の軽いモノしか食べなかったし。
「ねぇ、何食べたい?」
「はぁ……」
「家で。帰ったら何か作ってあげるから」
「……あー、オムライス食べたいですね」
「君って好きだよね。子供の定番メニュー」
「うるさいですよ」
「あはは、お子様味覚だし」
「はいはい」
繋がれた手はそのままで、お互い振りほどくことはない。
「なんか、コウくんがいてくれて良かったかも」
なんて、こんなに素直に言葉が漏れたのは、いつぶりだろうか。