りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生



全く。本当に分かりにくいんだから。
そんなだから、彼女が出来ても続かないんだろうに。


私のすぐ右を歩くのはコウくんで、私の右手がまだしっかりと握られている。

この子を見上げてみれば、気恥ずかしいのかコウくんは私とは反対に視線を落とした。



「お腹減ったねー」


テーマパーク内では、出店の軽いモノしか食べなかったし。



「ねぇ、何食べたい?」

「はぁ……」

「家で。帰ったら何か作ってあげるから」

「……あー、オムライス食べたいですね」

「君って好きだよね。子供の定番メニュー」

「うるさいですよ」

「あはは、お子様味覚だし」

「はいはい」


繋がれた手はそのままで、お互い振りほどくことはない。




「なんか、コウくんがいてくれて良かったかも」


なんて、こんなに素直に言葉が漏れたのは、いつぶりだろうか。



< 190 / 317 >

この作品をシェア

pagetop