りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
不器用な優しさに、想像してたより大きな手。
私が何か口にする度、コウくんは面倒な顔を見せた。
きっと、あの子は私に嘘をつかないから。
フラフラする足取りでヒールの音を立てながら、アパートの慣れた階段を上がる。
「……ひぃッく、」
途中で階段の手すりに寄り掛かって、後ろに転びそうになった。
「あは、あっぶなーい!」
何で酔っ払うと独り言がこんなに大きく漏れるのだろうか。
こんな泥酔した私を見たら、迷惑そうに呆れた顔をするのだろう。
でもそれでも、恋人でも友達でもない、あの子の顔が見たかった。
こんな私でも見捨てる事のない。あの手に触れて安心したかったから。
自分の部屋ではなくて、すぐ隣のドアに手を伸ばした。と、同時にガチャリとドアが開かれた。
「この間は、泊めてくれてありがとね!」