りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
「……それ、そのピアス」
「ん?何?」
「リクから貰ったの?」
「あー、昔ね。最初の頃」
「ふーん」
「コウくんの方は、上手くいきそう?隣のお姉さんと」
なんて口にしながら、笹沼が玄関に手を伸ばした。何で、コイツに言ってまったんだろうか。
「はぁ……」
「だから、溜め息つくないの!」
なんて、笹沼の笑い声だけが上がって部屋のドアが開けられた。
「この間は泊めてくれてありがとね」
「はいはい」
「じゃ、また明日!」
笹沼が背中を向けて歩き出す。階段を降りる音が止めば、辺りは一気に静かになった。
夜中の1時近くだというのに、隣のケーコさんの部屋は電気もついてなければ物音1つしない。
彼女はもう寝ているのだろうか。
もしくは。また、どこか飲み歩いているのか。
それとも、あの男と――。
大きな息を吐いてから、ドアを閉めた。