りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生



「いや、その。ケーコさん、どうしたんですか?」


彼女とはサトシさん達と遊園地に行った夜以来会っていなかった。



「どうもしないけど、離してよ」


久し振りに顔を合わせた彼女は、眉をつり上げて明らかに不機嫌そうだ。



「ねぇ、痛いってば!」

「すみません」


手を離せば、彼女は掴まれた腕を反対の手で撫でる仕草を見せる。




――なんか、コウくんがいてくれて良かったかも



儚くて、今にも消えてしまいそうな彼女の台詞。


遊園地の帰り、ケーコさんの部屋でオムライスをご馳走になった。

チューハイを飲みながら、遠くに行ってしまうであろう仲の良い先輩について、"寂しい"と話す彼女の愚痴を聞いて。


ただ、聞いているだけだったけど。


手を繋いで一緒に帰った時と今とでは、明らかに温度差がある。


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