りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
「ねぇ、コウくん。この人が隣に住んでるお姉さん?」
微妙な雰囲気の中。なんて台詞が耳に入ると同時に、笹沼が後ろから俺の服の裾を掴んだ。
「……はぁ、あぁ」
「わぁ、美人ですねぇ!」
「え?えーと。あ、ありがとう……」
目を輝かせて近寄る笹沼に、ケーコさんも戸惑いを隠せない様子だ。
「大人の女の人って感じでー」
「そ、そんな事ないよ」
「私って子供っぽいからー」
初めて会った相手にベラベラと話し続ける笹沼が、何を考えているか分からない。
「料理も上手だって聞いててー」
「いや、全然だよ」
「あ!私コウくんと同じ学校でー……、バイト先も一緒なんですけど」
まぁ、確かに。誰に対しても関われる、その辺に魅力を感じる奴もいるんだろうな……。
「じゃぁ、また!お姉さんもさよなら」
一通り会話が終わったところで、笹沼が頭を下げてホームへ足を向けた。