りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
部屋の中で/sideケーコ
出勤カードを通して更衣室に入ると、誰か冷房をかけておいてくれたのか涼しい空間が広がる。
半袖のワンピースタイプの白衣に袖を通して、バタンと勢いよくロッカーを閉めた。
「はぁ~、ミサキちゃんが結婚かぁ」
事務室のドアを開ければ、事務長がデスクに項垂れているのが目に入った。
「はぁ、しかも北海道かぁ」
先輩、事務長に話したんだ。
そうだよね、そういう報告は早い方がいい。辞められなくなったら困るし。
「あ、ケーコちゃんおはよー」
「おはようございます」
「ケーコちゃんは、彼氏とまだ結婚しないの?」
なんて朝から言うものだから、他のスタッフがちらちらと私へ目を向ける。
「事務長。もう朝のミーティング始まりますよ!」
「はぁー。いや、されても困るんだけど」
話を反らそうとしても、私の声なんて全然耳に入ってない事務長は、大きなため息を吐いていた。