りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
あ、絶対に目が合った。
「ケーコさん!」
何で私の方が隠れたり、逃げたりしなきゃいけないのよ。
ただ、頭でも下げて通り過ぎればいいだけの話。
「いや、その。ケーコさん、どうしたんですか?」
まさか追いかけてくるとは思わなくて、掴まれた右腕が思わず震えた。
「ねぇ、痛いってば」
「すみません」
ただ"離して"って言えばいいだけのに、自分の意思とは関係無しに声が荒くなる。
「ねぇ、コウくん。この人が隣に住んでるお姉さん?」
コウくんの後ろから顔を出したのは、愛くるしい笑顔を持つ小さな女の子。
その子に悪意は全く感じられないから。
自分の中から沸き上がる感情が、あまりにも醜くて蓋をしてしまいたい位だった。