りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
面倒臭そうに吐き出される息。
ふと顔を上げれば、呆れたように口元を緩めるコウくんがいた。その視線の矛先には私じゃない女の子。
ああ、他の子にもそういう顔を向けるんだ――。
「ちょっと待って下さいよ!何で先行くんですか?」
コウくんっぽくない声が後ろから聞こえた。
この子はいつもダルそうに静かに口を開くから。
「俺、何かしましたか?」
コウくんが駆け出した私のすぐ後ろをついてくるから、どんどんと自身の足も早くなっていく。
特別でも何でも無いのなら、私の事なんて放っておいけばいいんだ。
これ以上、惨めな思いはしなくないのに。
「もー、うるさいなぁ!!」
「いや、ケーコさんがおかしいですから」
「いーからほっといてよ!」
追いかけて来てくれる事が嬉しいなんて。言ってる事、思ってる事、全部滅茶苦茶だ。