りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生



ガタッ、と床に尻もちをついた音が室内に響いた。


……しまった。

より身を縮めて息を止めて目を瞑る。




「あ、あれー……。何か物が落ちたのかなぁ!」


ケーコさんのわざとらしい台詞の後に、



「おい、泥棒か何かじゃねーの?」


今まで無言だった相手の声がはっきりと聞こえた。

その声色はどこかで聞いた事のあるような。いや、似ているだけだろうか。



「あの、違くて。その、きっとさっき……慌てて片付けたからそれが落ちて……」


彼女の言い訳はどんどん小さな声になるけれど。



「はは…、ケーコらしいな」


どうやら、それがケーコさんらしいそうだ。
力無く笑う男の声が、ずっしりとのしかかる。


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