りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
"かなちゃんの所に帰れないなら、うちにおいで"
なんて台詞を喉まで出かけた私は、なんて浅はかで馬鹿なんだろうか。
膝の上に乗せた両手をぐっと握りしめる。
「あ、あれー。何か物が落ちたのかなぁ」
隠れているあの子がいなかったら、また繰り返すところだった。
流されて、同じ過ちを繰り返すところだった。
「おい、泥棒か何かじゃねーの?」
ずっと黙り込んでいたヨウスケが、不審気に眉をつり上げるから。
私を心配してくれるのが伝わってくる。
付き合っている訳じゃないのに、彼氏ぶるヨウスケが大嫌いな反面、心の何処かで安心していた。
愛情があって、私の事も考えてくれているんだ、と――。