りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
彼がクマのできた目を見開いて、ひどく悲しい顔を見せる。
自分の発言にひどく後悔をした。
でも、これが私の本音。
私は最低な酷い女で、あの告白を受けてから、毎日毎日、頭の中で彼女のお腹の子の存在を何度も消していた。
「ヨウスケはかなちゃんの所に帰って」
「……ケーコ」
今なら、きっとまだ間に合うだろう。
少し優柔不断なところはあるけれど、情に脆くて、この人は本当は優しい人だから。
せめて、"優しい人"のままでと願うのは、少しでも綺麗な思い出にする為だろうか。
「帰ってください!」
私の甲高い声が大きく耳に響き渡るから、自分でも驚いた。
大好きだった背中に、力強い大きな手。
ヨウスケが私の名前を呼んで、笑っい合って、手を繋いで、お日様の下を歩く事を望んでいた日々。
好きだった筈なのに――、
どこで、どこから間違えてしまったのだろうか。