りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
コウ君は悪くない。
この子は何も関係無いのは理解している。
「お願い、本当に今は1人になりたいの」
「……」
「そんなのも分からないの?空気読んでよ!」
でも、同じ空間にいるだけで私はこの子に当たってしまうのが目に見えているから。
これ以上、惨めになりたくなくて早く1人になりたかった。
なのに、ボヤけた視界の先には近付いてくるこの子が見える。
「でも、俺、空気読むの苦手なんで」
「じ、自分で何言って」
「それに、ベランダで倒れられたら困るんです」
「な、にそれ……」
「ケーコさんが倒れたら、一体 誰が救急車呼ぶんですか?」
そんな憎たらしい台詞とは思えない程に優しい声色。
正確にはいつもと同じ、面倒くさそうな声のトーンなのかもしれない。
でも、背中に回された手は優しくて心地の良いものだから、もっとギュッと抱きしめて欲しくなる。