りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生



「コウくん、意外と可愛い面あるんだね」

「うるさいですよ」

「だっていつも飄々としてて」

「はぁ」


溜め息とともにおでこがコツンと当てられて、サラサラな黒髪が頬に当たる。
懐かしいような、落ち着く、この子の香りがした。




「コ、コウくん、シャンプー何使って」

「ちょっと黙ってください」


コウくんの癖に、やけに穏やかで甘い声色が部屋に響くから息を飲んだ。


骨ばった大きな手が頬に触れて、距離が縮まったところで――。





「そうだ。俺、浮気しませんよ」

「え?」

「言ってませんでしたよね」

「何が?」






「ケーコさん、俺と付き合って下さいよ」



< 293 / 317 >

この作品をシェア

pagetop