りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
「コウくん、意外と可愛い面あるんだね」
「うるさいですよ」
「だっていつも飄々としてて」
「はぁ」
溜め息とともにおでこがコツンと当てられて、サラサラな黒髪が頬に当たる。
懐かしいような、落ち着く、この子の香りがした。
「コ、コウくん、シャンプー何使って」
「ちょっと黙ってください」
コウくんの癖に、やけに穏やかで甘い声色が部屋に響くから息を飲んだ。
骨ばった大きな手が頬に触れて、距離が縮まったところで――。
「そうだ。俺、浮気しませんよ」
「え?」
「言ってませんでしたよね」
「何が?」
「ケーコさん、俺と付き合って下さいよ」