りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
「あはっ、ははは……」
自分の部屋入って扉を閉めれば、私の口元からは掠れる様な笑い声がもれる。
「はは、ほーんと馬鹿みたい」
ポケットからスマホを取り出しながら、パンプスを投げるように玄関に脱ぎ捨てた。
"今日かなちゃんのところに行って、ヨウスケの……"
ここまで文字をタップして指を止める。
「これじゃ、脅しに近いかな?」
なんで私の方が気遣わなくちゃいけないのか。
部屋の電気をつけずに、そのままベランダへと向かう。
空には月も星も出ていない。比較的、駅が近いアパートだから、ネオンライトが光っているのが見える。
肩に背負ったままのハンドバッグから、タバコを取り出して自分の口元へ運ぶ。
もし、先に私が妊娠していたら、ヨウスケは私を選んでくれた筈なのに。
「赤ちゃん、デキれば良かったのに」
自分のお腹を撫でながら、小さく呟かれた私の台詞に返事がある訳が無い。
ただ、頭の中に赤ちゃんの鳴き声が響き渡っていくだけ──。