りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
外れていく道
「ねぇ!ちょっと!!」
叫び声と同時に、後ろから強引に肩を掴まれる。
「は、はぁ……?」
ケーコさんの様子を見にいったその帰り。丁度 病院の入り口を出たところで、初対面の筈の女の人に再び声をかけられる事となる。
「ケーコちゃんの彼氏くん、少し話せる?」
眉をつり上げて向けられる視線は威圧的なもの。
美人とはいえないけど、化粧ばえのする比較的整った顔立ちをしている女の人は、きっとケーコさんよりも年上だと思う。
「あの……すみません、今からバイトなんで」
ケーコさんの職場の人だ。いくら彼女の虚言とはいえ、下手に弁解できないから困った。
「ちょっとだけでいいんだけどなー」
「すみません」
そう言って、女の人は隣に並んで足を進める。
まいったな。結構、時間ギリギリなんだよな。
「バイト、何時から?」
「5時からです」
「あー、じゃぁさ……」
この人とはもう2度と会うことないだろうし、面倒な事にならなきゃいいけど──。