りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
唇が触れたのは、ほんの一瞬だけ。
ヨウスケの薄い唇が離れて、すぐに全身に鳥肌が立つように寒気に襲われていった。
あれ?私、何で……。
頭に思い浮かぶのは、ヨウスケとよく似た唇をした男の子。
──受付にこんなお姉さんいたら、マジでテンション上がるわー
低い声色と少し語尾が上がる話し方。
「ケーコ、どうした?」
「……えっ?」
「顔色ヤバいぞ?」
眉間に皺を寄せたヨウスケが心配そうに私を覗き込む。
「や……、そ、外でこういうのやめてよ」
心臓の音がやけにうるさい。
「何だよ。本当に心配性だなぁ、ケーコは」
「ヨウスケが危機感無さすぎなんだよ」
顔もよく覚えていないのに、あの唇の感触だけは記憶に残っていた。