りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
ドアの前に立つ彼女は、大きなボストンバックを肩にかけていた。
「ケーコさん」
呼び声が聞こえていないのか、右手のスマホに視線を向けたまま。
もちろん、そんな事は気にしないで俺の足は1歩ずつケーコさんに近づいていった。
「病院に行ったら退院したっていうし」
「……」
「なかなか会わないから、心配したんですよ」
「……」
「それに、あの職場の先輩が滅茶苦茶しつこく連絡してくるんですけど……」
自分の声だけがアパートの外路に響く。
全く俺に顔を向けない彼女を覗き込めば、
「……て、ケーコさん?」
「あ、あぁ。うん、ごめん何だっけ?」
蒼白した表情に小さく吐き出された声は震えている様に見えた。