拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
そういうと、真田君も、仕方なく、という感じで、うん、と頷きしぶしぶと黙ったので、もう食べ終わった私は、和美にじゃあ、先に仕事戻るね、と真田くんを引き連れて席を立った。

「なあ、西田さんと調整してよ~」

「真田君、ほんとに和美狙いなの?」

「狙ってるっていうか、一回くらい一緒に飲みたいじゃん」

「和美忙しいのよ。彼氏もいるし」

「え~、だめ?」

ダメってわけじゃないけど・・・また今度聞いてみるね、と言って真田君と別れる。
真田君もそこそこカッコいいし、爽やかだし、モテそうなんだけどな・・と思いながら仕事に戻る。

お昼から戻り、午前中の続きにとりかかるが、この先須藤さんが異動になることに対しての不安からか、あれもこれも、と手を出してしまい、なかなか効率よく進まない。いったん整理しよう、と思い、今やってる作業を中断して業務整理をしているのに、これじゃあ、どうしようもない。

夕方になり、吉田さんがふらりとやってきて声をかけてきた。

「作業、どう?」

作業・・・全く進んでいない。今日一日業務整理していたことを話すると、椅子を持ってきて横にトスン、と座る。

「今日一日難しい顔していたから、どうしたのかと思ってたんだ」

苦笑いしながら、紙とペンを取り出し、箇条書きでいくつか書き始める。

「この順番で、今の進捗と課題とわかる範囲でいいから今後の方向性を表にしてまとめておいて。フォルダに入れておいてくれれば後で見るから」

なるのど・・・こうやって順番に並べてみると、仕様順ではなくても、話が発散しなくなる・・・。さすが、吉田さん!と思い、ありがとうございます!とつい大声でお礼を言う。
早速とりかかろう、と思いパソコンに向き直ると、吉田さんがポン、と背中を叩いて言った。

「明日でいいから。今日はもう上がって」

時計を見ると18時になろうとしているところだ。時間ならまだ大丈夫だと、言おうとしたが、吉田さんは、たまには早く帰って、と譲らない。
吉田さんのおかげで頭の整理ができそうだったし、お言葉に甘えて早めに帰ることにする。

久しぶりに早帰りだけど、浦橋くんは出張で不在だ。和美をご飯にさそってみようか、とメッセージを送る。
まだ仕事中とのことだったが、切り上げて一緒にごはんに行ってくれる、とのことだった。

< 113 / 250 >

この作品をシェア

pagetop