拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
私は仕事も恋愛も半人前で、結婚なんて遠い遠い未来だ。もしからした一生無縁かもしれない。

「満里ちゃんは、何かあった?」

「少し前から浦橋くんと付き合ってて・・・」

「そうなの?へぇー、満里ちゃんが浦橋くんとねえ。で?喧嘩でもした?」

「喧嘩っていうか・・・」

家に帰ってお酒でも飲みながらゆっくり聞くよ~、と、家の側のコンビニで二人で色々買い込む。
甘いものとお酒もたくさん買い込んで陽美ちゃんの家にお邪魔する。

彼氏のものと思われるものがたくさんあり、いつも生活感の感じられない陽美ちゃんの部屋が新鮮で、ついニヤニヤしてしまう。

彼氏は商社マンで最近は海外出張続きなんだそう。今も出張中で、帰ってくるのは早くても来週の週末になりそうだとのことだった。結婚が近いこともあり、彼は一人暮らしのマンションを既に引き払っていて、荷物はほぼ実家にあり、日本で仕事の時は殆ど陽美ちゃんの部屋で生活しているとのことだった。

今日陽美ちゃんに連絡したのは、タイミングがよかった。彼氏が在宅中だったらさすがに泊まれない。

陽美ちゃんに部屋着を借り、落ち着いて飲みだしたところで、浦橋くんと付き合い始めたことと、今日あった出来事を聞いてもらう。

聞き終わると、陽美ちゃんはう~ん、と唸りながら言った。

「なるほどね。それで今日は会いたくなくて逃げてきたんだ」

逃げてきた・・・聞こえは悪いが・・・まあ、事実だ。逃げてきたことには変わりがない。

「満里ちゃんは、一緒にいた同級生の子と浮気してるんじゃないかって疑ってるの?」

「・・・・・疑ってるというか・・・・可能性というか・・・・」

「だけど、浦橋くんは二次会に行くのやめて、満里ちゃんと話しようとしてくれたんでしょ?」

「まあ、そうだけど。私に見つかっちゃったんだからしょうがないよね。私が今日浦橋くんの家に行かなければ、私の知らないところで二次会には行ってたんだろうし。」

「話してみなよ。彼女との関係も、二次会のこと黙ってたことも。浦橋くんもちゃんと話そうとしてくれてるみたいだしさ」

「うん。わかってる。だけど、今日話しても、浦橋くんに酷いこと言ってしまいそうだし、浦橋くんが言ってることを信じられるかどうか自信ないし。少し時間おきたかったの」

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