拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「当時の恋人とは別れたし、時間をかけて満里ちゃんに振り向いてもらおうとしてたのは私も見てたしね。誠意は感じられたよ。とにかく、ちゃんと話しなね」

話した方がいいのは私もわかっている。しかし、憂鬱な気持ちのほうが上回ってしまっていて気持ちの整理ができない。
そこからまた1~2時間、陽美ちゃんの部屋でグズグズしていたが、さすがに長居しすぎだと思い、お昼前にはお暇する。
陽美ちゃんには一晩すっかりお世話になった。話も親身に聞いてくれたし、大事な同期でお友達でお姉さんだ。結婚前にまたご飯行こうね、と約束して別れた。

気持ちの整理がつかないまま、自宅への向かって帰っている途中、浦橋くんからメールが来た。
急遽のトラブルで今から出張になってしまったとのことだ。電話するから話をさせてほしい、と書いてあった。

週末にこっちに戻ったと思ったら、また現場にとんぼ返りなんて・・・身体は休まったのだろうか。無理をしなければいいのだが・・・。
体調気を付けてお仕事がんばって、とだけ返信をした。

あれから一週間、結局浦橋くんからの電話には出られないままだ。
現場での作業が続いているらしく、週末も戻れないままだった。いつまでも電話に出ない私に対して、言い訳をさせてほしい、と先日メールが来ていた。

『仕事が立て込んでいるのもあり、二次会には行けるかどうかわからないから行くことが決まってから満里子に話そうと思っていた』
『急遽早く帰れることになり、二次会には顔を出して早めに帰ろうと思っていた』
『そのことを満里子に連絡しようと思いつつ、新幹線で大学の同級生と一緒になり連絡が後回しになってしまった』
『同級生の彼女は東京の土地勘がなく、一緒に行こう、ということになり、会場が俺に自宅に近かったことから、改めて待ち合わせをするより一緒に来てもらった方が早いと思い、着替えている間、玄関で待っててもらった』

連絡をしなくて、不安にさせて申し訳なかった。あんなところを見たら不安になって当然だ。俺が不注意だった、話がしたい、会いたい、と、何度も謝りのメールがきていた。

信じる、信じないは別として、浦橋くんの言っていることはよくわかった。
このまま無視するのも、無視しないのも、どちらが正しいのかよくわからない。考えた末、事情はよくわかりました。また落ち着いたら連絡します。と返信するのにとどめた。

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