拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
想い
翌日の土曜日、早めに待ち合わせ場所に着くと、既に浦橋くんはもう来ていた。
お店に入ると、すぐに、サッと手を挙げて立ち上がり、私に向かって近づいてくる。
座ってていいのに・・・。
「久しぶり」
「うん。久しぶり」
私の手を引いて席に着くと、向かい合わせに座る。
浦橋くんは既にコーヒーを頼んでいた。カップの半分以上飲み干していたのを見て、随分待たせたのかもしれない。
「遅くなってごめんね」
「いや、そんなに待ってないよ」
「そうじゃなくて、ずっと連絡しないでごめんなさい」
「うん。でも俺が悪かったし。今日は会えてよかった」
優しく笑う浦橋くんの笑顔を間近で見るのが久しぶりで、ずっと会ってなかったんだと改めて思う。
「顔色悪いけど、大丈夫?」
「浦橋くんこそ、少しやせたね」
お互い、少し気まずさを感じながら、少しの時間沈黙が流れる。
「満里子。ほんとにごめん。傷つけてごめんな」
「うん。事情は分かったつもりだから・・・私から話てもいいかな?」
「うん」
「松本さんに会ったの。この前会社の前で待ってて、二人で少し話をしたの」
え?、と上体をのけぞるようにして、驚いたように目を見開いた。
ふぅーと一呼吸置くようにしてから、辛そうな顔をして言った。
「ごめん・・・。嫌な思いさせてたよね」
「ううん。元カノ、なんだよね?」
「ごめん」
「ううん。そんな気はしてたから」