拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
1分もかからないうちにお店に到着し、入り口のところで、もう一度お礼を言い、お店のドアを開ける。
カラン、っと音がすると、カウンターの中にいた田中さんが、少し驚いたような顔をして、こっちに向かってカウンターから出てきた。
「大丈夫?」
私の体をふわりと支えてくれる。まさか田中さんがいるとは思わなかったが、安心して体の力が抜けた。
「飲みすぎてしまって・・・。少し休ませてもらってもいいですか?」
私がそう言うと田中さんが私の腰に手を添えて奥のソファまで誘導してくれる。
歩き出そうとすると、後ろから、満里子、と声がかかった。
牧野くん・・・まだいたのか。
少しだけ顔を向けると、
「連絡する」
と短く言ってお店から出てった。
私は返事をしないまま、田中さんに連れられてソファに座ると、何か頼まなきゃ、と思いジンジャーエールください、とお願いした。
田中さんは苦笑いしながら、気を遣わなくてもいいのに、と言いながらカウンターに戻った。
お店を見渡すと、土曜日も意外に混んでいる。平日しか来たことなかったが、オフィス街なのもあり、土曜日のこのお客の入りは意外だった。
ほどなくして、田中さんが飲み物を持ってきてくれる。
「混んでますね」
「土曜日はいつもこんな感じだよ」
「知らなかった・・・。田中さんがいるとは思ってなかったです」
「俺いなかったらどうするつもりだったの」
呆れながら言われるが、マスターに言って休ませてもらうつもりだった、と言うと、危ないからこれから気を付けて、と少し真剣に怒られた。
確かにマスターはいつもカウンターの奥に入ってしまっていて、お客さんと話しているのをみるのはごくたまにだ。田中さんとは別の店員さん2人にカウンターの中は任せてしまっているようだ。
私は田中さんとマスター以外の店員さんとは話をしたことがない・・・。
「誰?」
田中さんが不意に聞いてきたのは、牧野くんのことだろう。
「・・・好きな人です。ずっと好きだった人、ですかね」
はは、と笑いながら言うと、私の頭を撫でながら、困ったような顔をした。
「何でこんなに飲んだの?」
こんなに、というほど飲んでいないのだが、お酒が弱いだけに仕方がない・・・。
何で、と言われれば何でだろう。牧野くんの彼女に間違われて悲しかったからか、悔しかったからなのか・・具体的には形容しづらい気持ちからだった。
私が熱を出したとき、時間がない中看病してくれたことを思い出す。あれも、全部、計算だったのか・・・。
そんなことしなくたって、私は牧野くんのことが好きだったのだ。そんな手間をかけなくたって、あっけなく引っかかってたのに・・・と自虐的なことを考え、また勝手に落ち込みイライラしてくる。
「何となく・・ですかね。つまらなくって」
「俺、もうあがるから、送ってく」
申し訳ない・・・と思いながらも、安心したら眠くなってしまった。
相変わらず、このソファー気持ちいいな、と思いながら、そのまま少し眠ってしまった。
カラン、っと音がすると、カウンターの中にいた田中さんが、少し驚いたような顔をして、こっちに向かってカウンターから出てきた。
「大丈夫?」
私の体をふわりと支えてくれる。まさか田中さんがいるとは思わなかったが、安心して体の力が抜けた。
「飲みすぎてしまって・・・。少し休ませてもらってもいいですか?」
私がそう言うと田中さんが私の腰に手を添えて奥のソファまで誘導してくれる。
歩き出そうとすると、後ろから、満里子、と声がかかった。
牧野くん・・・まだいたのか。
少しだけ顔を向けると、
「連絡する」
と短く言ってお店から出てった。
私は返事をしないまま、田中さんに連れられてソファに座ると、何か頼まなきゃ、と思いジンジャーエールください、とお願いした。
田中さんは苦笑いしながら、気を遣わなくてもいいのに、と言いながらカウンターに戻った。
お店を見渡すと、土曜日も意外に混んでいる。平日しか来たことなかったが、オフィス街なのもあり、土曜日のこのお客の入りは意外だった。
ほどなくして、田中さんが飲み物を持ってきてくれる。
「混んでますね」
「土曜日はいつもこんな感じだよ」
「知らなかった・・・。田中さんがいるとは思ってなかったです」
「俺いなかったらどうするつもりだったの」
呆れながら言われるが、マスターに言って休ませてもらうつもりだった、と言うと、危ないからこれから気を付けて、と少し真剣に怒られた。
確かにマスターはいつもカウンターの奥に入ってしまっていて、お客さんと話しているのをみるのはごくたまにだ。田中さんとは別の店員さん2人にカウンターの中は任せてしまっているようだ。
私は田中さんとマスター以外の店員さんとは話をしたことがない・・・。
「誰?」
田中さんが不意に聞いてきたのは、牧野くんのことだろう。
「・・・好きな人です。ずっと好きだった人、ですかね」
はは、と笑いながら言うと、私の頭を撫でながら、困ったような顔をした。
「何でこんなに飲んだの?」
こんなに、というほど飲んでいないのだが、お酒が弱いだけに仕方がない・・・。
何で、と言われれば何でだろう。牧野くんの彼女に間違われて悲しかったからか、悔しかったからなのか・・具体的には形容しづらい気持ちからだった。
私が熱を出したとき、時間がない中看病してくれたことを思い出す。あれも、全部、計算だったのか・・・。
そんなことしなくたって、私は牧野くんのことが好きだったのだ。そんな手間をかけなくたって、あっけなく引っかかってたのに・・・と自虐的なことを考え、また勝手に落ち込みイライラしてくる。
「何となく・・ですかね。つまらなくって」
「俺、もうあがるから、送ってく」
申し訳ない・・・と思いながらも、安心したら眠くなってしまった。
相変わらず、このソファー気持ちいいな、と思いながら、そのまま少し眠ってしまった。