拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
しかし、今の私には嫌なことを考える暇がないくらい忙しいのがちょうどいい。
「もう上がり?」
「はい。もう帰ります」
そう返事しながらパソコンを落とし、机の上を片付けていると、携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると・・・牧野くんだ・・・。
あれから2か月、あの日以来、2度目の電話だ。
1度目は、田中さんのお店に送ってもらった翌日、留守電に、私の体調を気遣うメッセージが入っていた。そのまま折り返しの連絡もせず今に至る。
すぐに鳴りやむだろうと、無視してるが、なかなか切れない。
もう話すことはないし、何を言われても聞くのもしんどい。
鳴りやまないスマホをバッグにしまい、立ち上がる。
「出ないの?」
「うるさくてすみません・・・」
案の定聞かれたが、職場でプライベートの電話が鳴り響くこと自体が迷惑だ。
「うるさくして申し訳ありません」
もう一度謝り、急いでオフィスを出ると、須藤さんも並んでついてくる。
「明日、進捗教えて」
「はい。早急にやります。」
じゃあ、お疲れ、と手を挙げて戻って行く後ろ姿を見ながら、私はいつになったらああいう風になれるのだろう。
追いつくなんておこがましいが、少しでも見習いたいと日々思うが、成長している気が全くしない。
後輩が入ってくるのに、情けない姿は見せられない。
今は恋愛どころじゃないのだ。
時間も早いし、久しぶりに田中さんのお店に行くと、カウンターの中から静かに微笑む田中さんと目があった。
スツールに腰を掛けると、久しぶり、とニヤリと笑ってペリエを出してくれた。
軽く何か食べたい、と言うと、サンドイッチならすぐできる、というのでお願いすることにした。
今日は混んでいて田中さんも忙しそうだ。
あの日からあまりお酒を飲む気にもなれないのだが、第一田中さんがしばらくお酒禁止、と言っていて、頼んでも出してくれないだろう。
手持ち無沙汰でスマホを眺めていると、牧野くんからメッセージが届いてる。
開く気になれず、そのままスマホを放り投げ、はあ、とため息をつく。
明日も仕事だし、これを食べたらもう帰ろうと、そそくさと食べていると、田中さんが近寄ってきた。
「送るよ」
「・・・飲んでないし、大丈夫です」
「待ってて」
一方的にそう言うと、奥に行ってしまった。
閉店までまだ時間があるのに、平気なのだろうか。
「もう上がり?」
「はい。もう帰ります」
そう返事しながらパソコンを落とし、机の上を片付けていると、携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると・・・牧野くんだ・・・。
あれから2か月、あの日以来、2度目の電話だ。
1度目は、田中さんのお店に送ってもらった翌日、留守電に、私の体調を気遣うメッセージが入っていた。そのまま折り返しの連絡もせず今に至る。
すぐに鳴りやむだろうと、無視してるが、なかなか切れない。
もう話すことはないし、何を言われても聞くのもしんどい。
鳴りやまないスマホをバッグにしまい、立ち上がる。
「出ないの?」
「うるさくてすみません・・・」
案の定聞かれたが、職場でプライベートの電話が鳴り響くこと自体が迷惑だ。
「うるさくして申し訳ありません」
もう一度謝り、急いでオフィスを出ると、須藤さんも並んでついてくる。
「明日、進捗教えて」
「はい。早急にやります。」
じゃあ、お疲れ、と手を挙げて戻って行く後ろ姿を見ながら、私はいつになったらああいう風になれるのだろう。
追いつくなんておこがましいが、少しでも見習いたいと日々思うが、成長している気が全くしない。
後輩が入ってくるのに、情けない姿は見せられない。
今は恋愛どころじゃないのだ。
時間も早いし、久しぶりに田中さんのお店に行くと、カウンターの中から静かに微笑む田中さんと目があった。
スツールに腰を掛けると、久しぶり、とニヤリと笑ってペリエを出してくれた。
軽く何か食べたい、と言うと、サンドイッチならすぐできる、というのでお願いすることにした。
今日は混んでいて田中さんも忙しそうだ。
あの日からあまりお酒を飲む気にもなれないのだが、第一田中さんがしばらくお酒禁止、と言っていて、頼んでも出してくれないだろう。
手持ち無沙汰でスマホを眺めていると、牧野くんからメッセージが届いてる。
開く気になれず、そのままスマホを放り投げ、はあ、とため息をつく。
明日も仕事だし、これを食べたらもう帰ろうと、そそくさと食べていると、田中さんが近寄ってきた。
「送るよ」
「・・・飲んでないし、大丈夫です」
「待ってて」
一方的にそう言うと、奥に行ってしまった。
閉店までまだ時間があるのに、平気なのだろうか。