拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「満里ちゃんに誤解させちゃって、自業自得だって思ったから仕方ないんだけど。俺は満里ちゃんだけだったよ」
「え?」
「満里ちゃんが、寂しさ埋めたかっただけだったとしても、誰かの代わりだったとしても、それでも俺は満里ちゃんがいい、って思ってたんだ。それなのに・・・満里ちゃん、嫌な思いしたでしょ?」
田中さんが、お店の前の通りで、女の人と抱き合っていたのを見た。てっきり、私との遊びは終わりで、その人と付き合っているのかと思っていた。
「私は、田中さんに少しの間でも相手にしてもらっただけで奇跡だと思ってましたから」
「・・奇跡?」
プハっと笑いながら聞き返されたが、私は真面目に、はい、と答えた。
「同情、だと思ってました。私に同情して優しくしてくれてるのを勘違いしないように必死でした。だから、傷は浅いうちにすみました」
「俺は、前も言ったとおり、だよ」
『いつでもおいで』のことだろうか・・・・
「だけど、満里ちゃんはもう違うんでしょ?」
私が返事をする前に田中さんが続ける。
「恋、してるんじゃない?」
「・・・恋なんて・・・・」
田中さんは私の顔をじっと見つめながら、ふふっと笑って、私の頭をポンポン、と撫でた。
「満里ちゃんのことだから、また小難しいこと考えてると思うけど、素直になればいいと思うよ」
「・・・素直にって・・・。私は別にいつもひねくれてません」
「はは。別にひねくれてるって言ってるわけじゃなくてさ。難しく考えるなってこと」
はいどうぞ、とグラスを前に出してくれて、ニコっと微笑みながら、それ飲んだら帰りなね、と優しく言われた。
「あの人、独占欲強そうじゃん」
「・・・あの人・・・」
「イケメンの職場の先輩。あの人でしょ?仕事で落ち込んでるときに良く話してくれてた先輩って。満里ちゃんの目標の人」
須藤さん・・・のことだろう。確かに私の目標だ。あんな風になれる気はしないが、なりたいと思う。システム部にいたころは、吉田さん以上に厳しいことをいつも言われていた。そのことに落ち込み、次はミスしないように、と頑張ってきたのは確かだ。
しかし、恋、とは違う。
第一須藤さんの横には梅田さんがいる。
田中さんがマスターに呼ばれて奥に行ってしまったため、私も少ししてから、お会計をしてお店を出た。
すると、すぐに田中さんが追いかけてきて、満里ちゃん、と声をかけてきた。
「気を付けてね」とニコっと笑って手を振ってくれた。
「え?」
「満里ちゃんが、寂しさ埋めたかっただけだったとしても、誰かの代わりだったとしても、それでも俺は満里ちゃんがいい、って思ってたんだ。それなのに・・・満里ちゃん、嫌な思いしたでしょ?」
田中さんが、お店の前の通りで、女の人と抱き合っていたのを見た。てっきり、私との遊びは終わりで、その人と付き合っているのかと思っていた。
「私は、田中さんに少しの間でも相手にしてもらっただけで奇跡だと思ってましたから」
「・・奇跡?」
プハっと笑いながら聞き返されたが、私は真面目に、はい、と答えた。
「同情、だと思ってました。私に同情して優しくしてくれてるのを勘違いしないように必死でした。だから、傷は浅いうちにすみました」
「俺は、前も言ったとおり、だよ」
『いつでもおいで』のことだろうか・・・・
「だけど、満里ちゃんはもう違うんでしょ?」
私が返事をする前に田中さんが続ける。
「恋、してるんじゃない?」
「・・・恋なんて・・・・」
田中さんは私の顔をじっと見つめながら、ふふっと笑って、私の頭をポンポン、と撫でた。
「満里ちゃんのことだから、また小難しいこと考えてると思うけど、素直になればいいと思うよ」
「・・・素直にって・・・。私は別にいつもひねくれてません」
「はは。別にひねくれてるって言ってるわけじゃなくてさ。難しく考えるなってこと」
はいどうぞ、とグラスを前に出してくれて、ニコっと微笑みながら、それ飲んだら帰りなね、と優しく言われた。
「あの人、独占欲強そうじゃん」
「・・・あの人・・・」
「イケメンの職場の先輩。あの人でしょ?仕事で落ち込んでるときに良く話してくれてた先輩って。満里ちゃんの目標の人」
須藤さん・・・のことだろう。確かに私の目標だ。あんな風になれる気はしないが、なりたいと思う。システム部にいたころは、吉田さん以上に厳しいことをいつも言われていた。そのことに落ち込み、次はミスしないように、と頑張ってきたのは確かだ。
しかし、恋、とは違う。
第一須藤さんの横には梅田さんがいる。
田中さんがマスターに呼ばれて奥に行ってしまったため、私も少ししてから、お会計をしてお店を出た。
すると、すぐに田中さんが追いかけてきて、満里ちゃん、と声をかけてきた。
「気を付けてね」とニコっと笑って手を振ってくれた。