拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
上着を脱ぎ、ワイシャツ姿になっている須藤さんをみて、せっかく覚悟を決めたのに、また緊張が一気にせりあがってきた。須藤さんの横をすり抜けると、ベッドに腰をかけ、須藤さんと距離を取る。

シュルっとネクタイを外すのを見て、これからの行為を予想し、覚悟を決めたはずなのにまた逃げ出したくなる。

ベッドから腰を上げて、ソファに座ろうとすると、腕を引っ張られベッドに押し倒され、キスをされる。

「いつまで逃げる気だ」

「・・・逃げているわけでは・・・」

「じゃあ、何だ」

「緊張して・・」

無理です、と続けようとしたとき、さっきより激しいキスがふってきた。

あの須藤さんがこんなに近くに感じられることが、現実のこととは思えず、思わず腕をギュっと掴む。初めて触る、男らしい固い感覚に胸がキュッとなる。
手を腕から移動し、脇腹に持っていくと、服を着ているときにはわかりづらかったが、引き締まった体に驚き、そっと手を這わせる。
須藤さんの体が一瞬ピクリと反応するが、それと同時に、抱きしめられる力が一層強くなり、キスも激しくなった。

長いキスで頭がボーっとしてきて、体の力が抜けてきたとき、ようやく唇が離れた。そのまま首筋に顔をうずめられて、ブラウスがたくし上げられて地肌に手を這ってきた。思ったより熱い手にビクッとなる。

下着を持ち上げられ、体にキスが降ってくると、さすがにパニックになった。
もう逃げたりしないが、せめてシャワーをしてからにしてほしい。
身体をよじりながら抵抗するが、ガッチリと抑えられていてビクともしない。

「ち、ちょっと、」

両手で胸を押して、抵抗するが、やめてくるどころか、キスで口をふさいでくる。
須藤さんに抱かれたいが、このままは絶対に嫌だ。

「うー・・・」

と唸りながら抵抗すると、やっと唇を話、頭を撫でながら、ん?と聞いてくる。

「シャワー使わせてください」

「・・・俺は気にならないけど」

「・・・お願いします・・・」

そういうと、おでこにチュッとキスして、私の上からサッとどいてくれた。

逃げるようにバスルームに行き、息を整えてからシャワーを済ませる。

しまった・・・。何も持たずに来てしまった。
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