拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
かろうじてハンドタオルはあるが・・・仕方ない、ある程度拭いたらまた服を着るしかないか・・と思っていたころに、カチャっとバスルームのドアがあいた。

慌ててタオルで体を隠すと、はい、とバスタオルを渡してくれ、ふわりとバスローブを肩からかけてくれた。

「それ着てまってて」

そういって、須藤さんがその場で服を脱ぎだすので、服を抱え慌ててその場から離れる。

服が皺にならないようにハンガーにかけていると、もう須藤さんがでてきた。

早い・・・ものの3分もたっていない・・・・。

私に渡してくれたものと同じバスローブを羽織り、ずかずかと歩いてくると、私の腰をクイって引き寄せ、キスしてくる。

抱き寄せながら私のバスローブをはぎ取り、自分も脱ぎならベッドに押し倒される。

息つく間もない展開にどうしたらいいのかわからない。何をどうしたら須藤さんに喜んでもらえるのか・・必死に考えるが緊張マックスのため、頭が上手くまわらない。

須藤さんが動きを止めて、顔を覗き込み

「何考えてる?」

と聞いてきた。

「・・・上手くできなくてすみません・・・」

もっと色っぽく、いやらしく、というのか・・・できたらいいのだが、そこまでの技術は残念ながら私にはない。

一瞬無言になった須藤さんが、フッと笑うと、ギュっと力強く抱きしめてきた。

「大事にする。もう遠慮したくないんだ」

そう言って、キスを再開し、大事に優しく抱いてくれた。

どれくらい眠ったのだろう・・・。
目が覚めると、ここがどこだかわからず、軽くパニックになる。
薄暗い部屋に、白が基調の少し豪華な部屋・・・ホテルに備えつけてある部屋着のようなものを着せられている。

昨日・・・そうだ、須藤さんと一緒に・・・そこまで思い当たると、急速に様々と思い出してくる。
ヤバい、須藤さんに抱かれた後の記憶が曖昧だ。そのまま寝落ちしてしまったか。この服は須藤さんが着せてくれたと思われるし・・色々とヤバすぎて何からしたらいいのかわからない。
取り敢えずシャワーを浴びてから、帰らないと、と思い、ベッドから降りようとすると、右手に暖かいものがあたり、びっくりして、ひゃっ、と声がでる。

恐る恐る見ると、須藤さんの寝顔が間近にあった。

まさか一緒にいるとは思わず、うわぁ、と思わず声がでかかるが、慌てて口を押さえて落ち着かせる。
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