拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
須藤さんと二人きりになってしまった。あの夜以来だから・・もう1か月近くたつ。

「久しぶり」

「・・・お疲れ様です」

「どういうつもり?」

「・・・・・」

「お前、誰か好きな人でもいるの?」

好きな人?・・・私の今一番好きな人は、須藤さんだ。だけど、この気持ちは言っていいはずがない。

「・・・好きな人」


すると、今までの不機嫌顔が怒ったような顔になり、グイっと私の腕を掴んで言った。

「いるのかよ。誰?」

誰と言われても・・・言いたくない。

「あの、今日はどうしてここへ?」

「どうして、って元々俺が頼んだんだ。柴田と西田さんに」

じゃあ、和美も柴田さんもここに須藤さんが来ることを知っていたわけか・・。

すると、須藤さんのスマホが鳴り、ちょっとごめん、と言いながら話しながら席をはずす。

びっくりした・・。今日須藤さんに会うと思っていなかったから、まだドキドキが収まらない。
せっかく忘れようとしていたのに・・。

外から戻ると、スマホを見ながら聞いてきた。

「柴田が家飲みしよう、って言ってるんだけど、お前も行ける?」

「柴田さんの家ですか?」

「そう。西田さんを送った後、偶々彼女と連絡がついて、ちょこっと会ったらしい。そこでまたちょっとあって・・・そのまま家に帰ったらしい」

「私が行ってもいいんですか?」

「平気だよ。相談相手俺しかいないし、女の人の意見も聞きたいんじゃない?」

じゃあ、行こうかな。須藤さんが一緒なら安心だし、柴田さんはまた彼女さんと揉めたのだろうか。

須藤さんとの話が途中になってしまった気がするが、あまり進んで話したい内容のものではない。一層のことこのまま流してしまったほうが気が楽だ。

私の家より二つ先の駅で降りると、駅前のコンビニに寄り、食料やお酒を選び、適当にかごに入れていると、須藤さんがアイスを選んでいた。

「お前どれがいい?」

「アイス、好きなんですか?」

「いや、お前が食べるかなと思って」

「私はアイスよりこっちのほうがいいです」

そう言ってスイーツコーナーを差すと、好きなの選んでと言われる。

この前のとは異なるが、柴田さんが好きなレアチーズ計のケーキがあったので、それを一つと、もう一つの自分のをどうしようか悩んでいると

「これ誰の?」

と聞いた来た。

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