拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「梅田さんのことは・・・彼女、ちょっと面倒って言ったらアレなんだけど・・・お前も前に言ってた『公認の仲』って言われてるって、最近柴田が心配してたから、さすがにマズイな、とは思ってたんだ。

彼女が派遣されてきて2年近くたつんだけど、最近ようやく落ち着いてきたんだ。最初は扱いづらくて大変だった。
彼女、気分で仕事するっていうか・・・機嫌が悪いと返事すらしないんだ。
それに対して、ご機嫌取っておだてたり、説教したり、色々周りがやったんだけど、治らないどころか酷くなる一方でさ。
常務の親戚らしくって、部長も腫れ物に触るみたいに扱ってて頼りないし。

だけど、俺は、他の人と差をつけることなく、普通に接してたんだ。説教もおだてるのも面倒だったし。
そしたらそれが気に入ったらしくて、俺が頼む仕事は一通りやるようになって・・・それから俺が梅田さんの専属、みたいになっちゃったんだよ」

なっちゃったんだよって・・・・
それだけで公認の仲、と噂されるだろうか。

飲み会の時はいつも横にべったりとくっついているし、二人きりで一緒にいるところだって何度か目撃している。それに休日二人で出かけてるみたいなことも言っていた。

それを言うと、ん~・・・と困ったように唸り、言いにくそうに話し出した。

「梅田さんが配属されて半年くらいたった頃、一度告られたけど、全く恋愛感情なかったし、付き合っている人もいたから断ったんだ。だけど、ちょうどその頃付き合っている人と別れ話になってて・・・梅田さんに告白された直後に別れたんだ。それを柴田と話しているところを聞かれちゃって、お試しでいいからとか、何度断っても結構しつこくて・・・今に至る、というか・・・」

彼女のご機嫌に周りも振り回されつ受け、須藤さんの言うことなら素直に聞くため、周りもそれに甘えて放置、ということか。

状況はわかったが、気にするな、と言われても、梅田さんのほうが私を放っておかないだろう。

「俺はお前で手一杯なんだ」

ったく、手こずらせやがって、と言うが、私の思い込みも悪いが、須藤さんだって十分わかりづらすぎる。

「『あと何回』なんて、答えられるわけないだろ」

この先ずっと、何回も、だ。と言いながら抱きしめられてキスされる。

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