拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様

須藤さんと付き合いだしてから2か月、週末は殆ど須藤さんの家から帰してもらず、想像以上に一緒にいる時間が長い。
最初の頃感じた、もしかしたら独占欲強いかも、という想像は、あながち間違っていないのかもしれない。

「今週末、同期会があるから少し遅くります」

「おう。終わったら家来るだろ?」

「うん・・・でも、何時になるかわからいから・・」

あまり遅い時間になると迷惑かな、と思い言ったのだが、顔が険しくなるのを見て、これ以上言わないほうがいい、と判断し私も黙る。

「同期って、どこの?」

「新入社員研修の同じクラスのメンバです」

真田君が声をかけてくれて、久しぶりにやることになった。地方に転勤になった人も多く、少人数になりそうとは言っていたが、久しぶりに同期と会えるのは楽しみだ。

「最初の頃、いつも一緒にいたヤツいたじゃん。そいつも来るの?」

浦橋くん、のことだろう。浦橋くんと一緒にいるところによく須藤さんと遭遇していたので、顔も思えているのだろう。
ただ、浦橋くんと、短い間ではあったが、付き合っていたことは言っていない。
今は関西勤務だし、もう結婚するはずだし、わざわざ言うこともないだろう。

「多分、来ないと思います。今関西なので」

ふ~ん、と返事をしてから、と言って頭をポン、として、遅くなるようなら連絡して、と優しく言ってくれた。

同期会の日、開始時間の時には10人以上集まっていた。
ポツリポツリと遠方から仕事終わりで参加するメンバがいて、15人は参加していた。30人中半分も集まるなんて、そこそこ出席率が高いと思う。
残り30分となり、もう来ないよね、と話していたころ、浦橋くんが入ってきた。
久しぶりに見る浦橋くんは・・・・少し大人になった。元々綺麗な顔をしていたが、色っぽさが加わってかなりセクシーだ。

目が合って、お互いニコっと笑って挨拶をするが、あっという間に離れたテーブルにいたメンバに囲まれてしまって、話はできそうもない。
後で、結婚おめでとう、と声くらいかけたい。

お開きになり、それぞれ二次会に行こうと話しているが、私は同期とも話せて大満足だ。須藤さんの家に行く予定もあるため、二次会は行かないつもりだ。須藤さんにももうすぐ終わるとメッセージは送ってある。

入り口のところで固まっていると、トン、と肩を叩かれ、振り向くと浦橋くんが立っていた。

「久しぶり。元気だった」

「うん。浦橋くん、結婚おめでとう」

「ありがとう」

そう言ってニコっと笑う浦橋くんの左薬指にはキラリと指輪が光っている。

「先月、子供も生まれたんだ」

「え?じゃあ、浦橋くんパパになったの?」

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