拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
連れて言ったレストランでの食事は 想像以上に喜んでくれて、そんな満里子がとても可愛くて、触れたくなるのをグッと堪える、
もっと早く連れてくればよかった、先週だって誘ったのに・・・
そうだ、先週は中澤とデートだったのか
思い至ったら腹立たしく、つい、満里子を責めるような言い方になってしまう。
ここまでわかりやすく嫉妬心をむき出しにしたら、俺の気持ちに気づくだろうに、と期待したが、やはり鈍感な満里子は気づいてくれない。
もういいだろう。そろそろ、決めたい、そう思ったのに。
その日を境に避けられた。
最初は気づかなかった。
仕事の役割分担の変更は、疑問に思わなくもなかったが、満里子なりに考えたのだろう、と、あまり気にしなかったのだが、ここまで会わないのは・・・避けられていると気づいた。食事に誘っても、すべてNGだ。
少し強引に連れ出し、何とか話す時間を作る。
しかしそこでも上手く話ができず、傷つけてしまったようだ。
あの子なりに、色々考え、ツライ思いをしたことは、後からわかった。
梅田さんが絡んでいたことも。誤解を与えてしまった俺のせいだ。
きちんと満里子と向き合いたくて、西田さんに満里子と会う時間を作るようにお願いした。
和美から連絡があったのはその後すぐだ。
金曜日に満里子と約束しているが、早めに帰らなきゃならないので、その後のことよろしくお願いします、と律儀に頭を下げてきた。
満里子とはタイプが違うが、入社前からの親友らしい。和美とは一緒に仕事する機会が何度かあったが頭の切れる聡明な子だ。満里子のことを心配している様子も伺える。
柴田も和美も俺の気持ちはお見通しだというのに、本人が鈍感過ぎて、思うようにいかない。
あの子が自覚が持てない大きい原因が自分の関わり方のせいだという自覚はある。何事も仕事にかこつけようとしていたために、あの子も職場の先輩という枠から超えてみることができないのだろう。
あの子が俺を求めてくるまで待つつもりだった。
だが、あの日、和美から妊娠を告げられ、最初は自分のことのように喜んでいたが、和美の体調不良を知り急に不安になったようだった。この先今までのように和美と頻繁に会えなくなることも寂しく感じている様子で、お酒のペースが少し早かった。
寂しさを押し隠そうとする満里子が愛おしくて、俺がその寂しさを埋めてあげたくなる。
更にBarカウンターの中にいるやけに色っぽい田中という男にちょっかいをかけられていたのを見て、一気に抑えがきかなくなってしまった。
田中に嫉妬し、触らせるな、と言うと、梅田のことを持ち出し、梅田に嫉妬していると取れるような発言があった。
そして、急に距離を取ろうとしてきた。
逃がしてたまるか、と一気に行動にでる。