拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
研修2週目になると、クラス全体がたいぶ仲良くなり、私も牧野君以外と過ごすことも多くなってきた。同じグループワークのメンバとはほとんど行動を共にしていた。

夜ご飯もグループワークの合間にメンバと一緒にいくことが増えていたが、教室で牧野君と一緒になった日は、二人で夜ごはんを食べてから、またそれぞれのグループワークに戻ることもあれば、ワークが終わった後、ちょっとだけ行く?と誘い合って飲みに行くこともあった。

研修3週目を過ぎると、クラスの懇親会が急激に増えた。いつもクラスのほとんどメンバで飲みに行くことが多く、ほとんどのメンバと気兼ねなく話をすることができるようになっていた。

ただ、女性陣4人のうち、私が一番年下であり、お酒もほとんど飲めないため、お酒や料理の注文の世話をするのは私の役割だった。

最初の乾杯が済むと、最初にインストラクタのところに行き、次何飲みますか?と尋ねた後は、大体順番に私に飲み物をお願いする形だ。
料理が半分になったお皿を寄せたり、空になったコップを片付けたり、皆が酔っ払い始めても、私は動きっぱなしだった。
中には、少し座りなよ、と言ってくれる人もいたが、なにぶん、飲めないため間が持たないというか動いていたほうが楽だった。

それに、1時間以上そんなことをしていると、大概、牧野君が側に来てくれて、頭をポンと撫でてくれる。

「疲れただろ」

「うん。そろそろ喉乾いた」

「ウーロン茶でいい?持ってくる」

そう言って飲み物と一緒にお皿に料理を山盛りにして持ってきてくれる。

「お腹空いただろ。お前も座って飲み食いすればいいのに。みんな満里子に甘えすぎだ。」

そう言って私の隣に腰を下ろし、これ飲め、これ食え、と次から次に差し出してくる。
それがわかっているから、私も最初は無理して食べようとしないのだ。私の方こそ牧野君に甘えてしまっている。

「お酒飲めないし、動いてたほうがいい。」

私がそういってポテトを頬張ってると、ふっと笑って頭をポンポンと撫でた。

二次会に行くと、ますます皆酔いが増し、注文も散らかってしまうし、気分の悪い人も出てくるし、世話をするのが正直大変だ。大変だが、動いているほうが気が楽だというのも本音だ。動き回っているとそれなりに同期皆と満遍なく話することもできるし、それなりに楽しめる。
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