拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
また会える?とか、聞いてもいいのかな。なんで?って聞かれたら、好きだから、って言うのかな。
それとも、最初に『好きです、付き合ってください』って言ったほうがいいのか・・・・

いや、無理だ。
全くもって自信がない。
大学時代の苦い経験を瞬時に思い出した。恋愛に関しては全くいい思い出がない。仲良く出かけてるからって両想いだとは限らないのだ。
告白して振られて二度と会えなくなるよりも、今みたいにせめて一緒にでかけたりとかはしたい。
だから好きだという気持ちは知られてはならないのだ。

「顔色悪いな。具合悪い?まさか二日酔い??」

牧野くんが顔を覗き込むように言ってきた。ヤバい、つい色々考えこんでしまった。

「ううん。全然大丈夫。ほとんど飲んでないもん、二日酔いなんかしないよ」

「ならいいけど。でも昨日は結構へらへらしちゃって、完全な酔っ払いだったぞ」

・・・ヘラヘラしてたかな・・・牧野くんから電話がかかってきて下に向かったときはシャッキっとしていたが、牧野くんの顔を見てからの急に体がふわふわしてきた気がする。ちょうどお酒が効いてきたころか・・・

学生のころからお酒はほとんど飲まずにきたが、これは自分で想像していた以上にお酒が弱いと思い始めていた。
これからの会社生活で気を付けないとな、と改めて思う。


「私、変なこと言ったよね。ごめんね。自分でもこんなにお酒弱いと思ってなくて。気を付けるね」

「いや、そんなことないけど。ただ酒はほんと弱いよな。飲まないほうがいいと思うぞ。これからはずっと側にいてやれないし」

そうだよね。今までは何だかんだでずっと面倒みてくれていた。

「寂しいな・・・」

すると牧野くんが明るい調子で言った。

「大丈夫だろ。お前の支店、同期の配属多いだろ?きっとみんなでツルむことも多いだろうし」

安心させるように、牧野くんが私の頭をポンと叩いた。

少し早いけど、メシにする?と牧野くんが調べておいてくれたお店へ向かう。ハンバーガーが美味しくて有名なお店らしい。

お店に入り席に着くと、さっそく別々のものを注文してシェアして食べる。

今後のことを話しながら食事を進めるが
昨日、菅原さんと二人で何故あんなところにいたのか、本当は詳しく聞いてみたかった。
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