拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
しかし、こうやって二人で食事をしていると、今が楽しいし、昨日のことはもういいや、と思えてきた。

あと一週間、少しでも牧野くんと一緒にいたい。


翌日からの一週間
とにかく飲み会続きだった。

いよいよ、明日が研修の最終日。前日の木曜日の夜はクラス全体の飲み会だった。
もしかしたら、この先の会社生活の中で一度も会わないままの人がいるのかもしれない。そう思うと感慨深い。
社会人として最初の一歩だったこの集合研修だったが、まだまだ学生気分が抜けず、課題はきつかったが、大学のゼミも最後はこれくらいの追い込みは常だった。
これからしばらくOJTが続き、研修の域は当分出ないものの、とりあえず、集合研修は今日で最後だ。

木曜日の夜、クラスの解散会だった。クラス全員参加で6週間お世話になったインストラクターを囲む会、それとこれからそれぞれの支店へ配属になりバラバラになる同期たちとも今日で最後だ。今度会うときまで元気で頑張ろうと、前向きに挨拶してお別れを言い合う。何とも寂しいが、立派な社会人になってお互い成長してまた絶対に会いたい。


さて、そろそろ酔っ払いも増えてくるころかな、と入り口に立っていると、牧野くんと浦橋くんが二人で飲んでいるのが目に入った。

なんか・・・めずらしい。二人きりで何の話をしているのだろう・・少し気になりはしたが、すぐに注文を言いつけられてあちこち動いているうちに、お開きの時間になった。

ほとんどの人が二次会に向かうはずなので、ここのお会計をして私は後から追いかければいいか。

「もうほとんど二次会行ったぞ」

「うん。牧野くんも先に行って」

「俺行かね。お前も行くのやめね?」

「・・・うん、いいけど。じゃあお茶しに行こう?喉乾いちゃった」

お茶と言っていたが、お店を出たところすぐにゲーセンがあり、寄ってくことにした
いつものように牧野くんが私でも楽しめそうなゲームを選んでくれ、一緒にいくつか遊ぶ。
牧野くんと一緒に遊べるのは、この先もうないのかな、と思うと寂しくて、つらくてせっかく一緒にいるのに楽しめない。

この年までゲームセンターに来たことがないなんて恐らく驚いたと思うし、もしかしたら引かれたかもしれないが、特に呆れることなく私が楽しめるように遊び方も考えてくれた。

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