40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
派遣先から切られて、一時的に仕事が無くなるだろうと覚悟していたのだが、なんと逆に正社員への登用の打診があったのだ。
(まさかこの年になって、正社員になることができるなんて……)
良いことが起こりすぎるとなにが起こるか分からないと、頭の片隅では分かっていても、嬉しいものはいくつになっても嬉しいものだ。
「樹さん、まだかな……」
浮かれた気持ちを抑えられず、ついついスマホを見てしまう。
今の時刻は16時過ぎ。
樹さんとの待ち合わせは17時だったのだが、楽しみのあまり少し早く来てしまった。
少し空港を見て歩こうかとも思ったが、樹さんと一緒に見て回ることも約束していたので
(楽しみは一緒に共有したいな……)
という理由で、大人しくベンチで待ちながら、久々にスマホの恋愛ゲームをしていた。
けれど、昔ほど熱中できない自分に気付き、そっとスマホの画面をスリープ状態にした時だった。
「あら?森山さん?」
思い出すだけでも蕁麻疹と吐き気が出そうになる、嫌と言うほど知っている声が頭上から聞こえた。
恐る恐る顔を上げると
「あらあ、こんなところで何をしていらっしゃるの?」
「美夜子、このブタ知り合い?」
「ええ、うちの会社に来てる派遣さんよ」
(何で、こんなところにいるの……)
明らかに高いものをつけていて、少々下品な雰囲気を醸し出している、整髪料とタバコの臭いが混じった男性に肩を抱かれ、セクシーさを際立たせる露出が高い洋服を身につけた……あの佐野さんが……仁王立ちで私を見下ろしていた。
(まさかこの年になって、正社員になることができるなんて……)
良いことが起こりすぎるとなにが起こるか分からないと、頭の片隅では分かっていても、嬉しいものはいくつになっても嬉しいものだ。
「樹さん、まだかな……」
浮かれた気持ちを抑えられず、ついついスマホを見てしまう。
今の時刻は16時過ぎ。
樹さんとの待ち合わせは17時だったのだが、楽しみのあまり少し早く来てしまった。
少し空港を見て歩こうかとも思ったが、樹さんと一緒に見て回ることも約束していたので
(楽しみは一緒に共有したいな……)
という理由で、大人しくベンチで待ちながら、久々にスマホの恋愛ゲームをしていた。
けれど、昔ほど熱中できない自分に気付き、そっとスマホの画面をスリープ状態にした時だった。
「あら?森山さん?」
思い出すだけでも蕁麻疹と吐き気が出そうになる、嫌と言うほど知っている声が頭上から聞こえた。
恐る恐る顔を上げると
「あらあ、こんなところで何をしていらっしゃるの?」
「美夜子、このブタ知り合い?」
「ええ、うちの会社に来てる派遣さんよ」
(何で、こんなところにいるの……)
明らかに高いものをつけていて、少々下品な雰囲気を醸し出している、整髪料とタバコの臭いが混じった男性に肩を抱かれ、セクシーさを際立たせる露出が高い洋服を身につけた……あの佐野さんが……仁王立ちで私を見下ろしていた。