40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
「あなたに1つ、感謝しなきゃいけないことがあるのを忘れていたわ」
「感……謝……?」
「あなたのおかげで、とんでもない中古物件を引き当てずに済んだんですもの」
「中古……物件?」
「氷室樹のことよ」
「……え?」
「ほんと、騙されるところだったわ」
「騙されるって……?」
「あの医者、ハワイに隠し子がいるんですって」
「隠し……子?」
「しかも、それが理由で、ご両親から勘当を言い渡されたそうよ。そんなやばい物件だって知ってたら、最初から目をつけなかったのに……。でもまあ、神様は私に味方してくれたのね。おかげでとっても素敵なダーリンを捕まえられたんだもの。だから、あなたにも、一応感謝してあげるわ。じゃね」
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