40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
まだ、優花と付き合い始めてから1ヶ月も経ってない頃。
プライベートを曝け出すことを好まない彼女が、自宅に誘ってくれた。
密室で2人きりが何を意味しているのか。
最初は気づいてなかったようだったが、最後には理解をしてくれたようだった。
その上で、俺を招く決断をしてくれた。
……年甲斐もなく、浮かれてしまった。
40歳にもなって。

彼女を抱きたいという気持ちは、常に持っている。
だけど、彼女が嫌だと思うことはしたくない。
男と付き合ったことがないと、優花は言っていたから、性交渉もおそらくない……はずだ。
だからなのだろう。
俺が彼女の家に行くことが決まった時、彼女の手がほんの少しだけ震えているのが見えた。

だから俺は、日程を決める時にわざと日曜日にした。
彼女が、俺とそういう関係になっても良いと心から思わない限り

「次の日は平日だから」

という理由で俺自身がきちんと身を引けるように。
それくらい、優花との関係は丁寧に進んでいきたいと思った。
大事にしたいと思った。

女を抱く、ということをかつては仕事の1つとして捉えていた俺からすると、天地がひっくり返る程の変わりようだ。

(あの頃の事は、できれば優花には知られたくない)
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