40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
「調子は、どうだい?」
「……そこそこです」
「そうかい」

そう言うと、ケビンはまた一口マイタイを口に含む。
とても、美味しそうだと思った。

「イツキ」

彼は、アメリカ人ということもあり、俺たちのことを名前で呼ぶ。
俺は、彼に名前を呼ばれるのが嫌いじゃなかった。

「君は……医者という仕事をどう思うかい?」
「え?」
「いや……君の目には、迷いがあるように思えてね……」

俺は、親の言いなりになって医学を選んだ。
それで良いと思っていたけれど、最近になって違和感を覚えた。
こんな自分は、医師になるべきではないのでは、と考えた。

ケビンは、とても聞き上手なのだろう。
気がつけば、俺の心に巣食っていた悩みを全て、彼に打ち明けてしまった。

「そうか。辛かったな」

ケビンはそう言ってから、俺にこう言った。

「私は、君をとても評価しているんだよ」
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