40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
(一体、どこを……)

失敗ばかりして、判断をする事を怯える。
そんな俺のどこに、評価をする要素があるというのだろう?

「君は、とても冷静だ。それに手際も良い。知識も豊富だ。きっと、頭がとても良いんだろう」
「そんなことは……ないかと……」

俺の返答に、ケビンは少し悲しげに微笑んだ。

「君は、患者とどう向き合っている?」

治さないといけない。
でも怖い。
それが俺の本音だった。
そんなことを、この人の前で言う事は、とても躊躇われた。

「そうか……君は、余計な事を考えすぎているのかもしれないね」
「余計な事……ですか?」
「イツキ。医師たる者、考えるべきことはただ1つで良いんだ」
「1つ………」
「ああ」
「それは……何ですか?」
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