40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
わざわざ、樹さんを呼び出してまで、樹さんのお子さんにお土産を買おうとしたのも、さほど綺麗な理由ではない。

(私なんかがショックを受けて、ごめんなさい)

という、自分の中に芽生えた罪悪感を打ち消すための手法として選んだのだ。
まるで、綺麗なラッピングの下に、無価値なゴミを隠すかのように。
だから、プレゼント選びの時に、何度も樹さんから

「本当にいいの?」
「無理してない?」

などと聞かれる度に、とても申し訳なくなってしまった。
そしてその度に見せる樹さんの表情が……苦しかった。
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