40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
着陸後、ベルトサインが消えてから速攻でトイレに駆け込んで、どうにか難は逃れた。
ただ、やっぱり申し訳ないな……と思ったのは

「大丈夫?」
「具合悪い?」
「荷物持つ?

などなど、樹さんが事あるごとに聞いてくることだった。

(そんなに顔色悪いのだろうか……)

手鏡で自分の顔を見ると、確かにひどい顔をしていた。
だけど、それ以上に鏡越しに見える樹さんの顔色の方が、もっと酷かったので

「大丈夫です!自分で持ちます!」

つい遠慮してしまった。
樹さんは、そんな私に微笑んでくれたが、その笑顔に違和感があった。
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