40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
私は選ぶということをしたことが……あっただろうか?
選ばれるための選択ではなくて。
ただ選びたい、という欲のみで。

スマホのゲームも、美味しいものも、自分主体ではなく、誰かのおすすめ……広告や口コミなど……を見て選んできた。

じゃあ、樹さんの場合はどうだろう?
今までは、選ばれなかったら、簡単に諦めることはできていた。
そうやって、心をトレーニングしたから。

でも……本当に?
私は、樹さんを諦められる?
樹さんに選ばれなくなったら……?

そんなことを考えていると、急に目の前に白い鳥居が見えた。

「あっ……!ここ……!」

ハワイ出雲大社。
樹さんが家に来た時に話をした、縁結びの神社の名前。

(意外と小さいんだな……)

そんなことを考えながら、鳥居をくぐろうとした時だった。

「優花!!」

(えっ!?)

急に背後から樹さんの声がした。
振り向くと同時に、樹さんに私は抱きしめられていた。
色々などうして、が頭をよぎるが、まず最初に考えたのは……。

(何で、アロハシャツ着てるの!?)
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