40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
「優花の誕生日はクリスマスイブだって……言ってたな……」
「あ、そうです。よく覚えてましたね」
「忘れられないからね」

まだメッセージでやりとりするだけの関係性だった時期に、遊び半分でこんな相談をしたことがあった。

「40歳になる瞬間、クリスマスイブでもあるんですけど、何したらいいですかねぇ?」

と。
ちなみにこのタイミングで、樹さんが私と同い年だというのも聞いた。
まあそれは、雑誌とかで読んでたから知ってたんだけど。

「確かに、覚えやすいですよね、私の友達も私の誕生日は忘れないんですよ」

私がそう言うと

「違うよ、優花」
「え?」
「好きだと思った人の誕生日は、いつだったとしても忘れることなんかできないってことだから」

と、斜め上の爆弾を投下してきた。

「そ、それは……どうも……」

私は、顔をリンゴのように赤くしながら答えるしかできなかった。
< 83 / 229 >

この作品をシェア

pagetop