40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
どういう風の吹き回しだろう。
これまで佐野さんが、私に対して

「助けて」

などと言ってきたことは、一度もない。
ただ、ある可能性も頭をよぎった。

(もしかすると、今回は私が必要なのかもしれない……)

広報用のSNS用写真の撮影要員としてかもしれない。
佐野さんがこれまで一緒に行った人達は、自分もパーティー思いっきり楽しみたい人達。

「佐野さんの容姿を、きちんと写してあげよう!」

という気は、ほぼ無いのだろう。
理由はどうあれ、佐野さんから必要とされた、という事はほんの少し嬉しかった。

ただ、そのパーティーは私が想像していたようなものではなく、婚活パーティーだと知ったのは、指定されたタワーマンションのエントランスに着いてからだったのだが。
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