宝物 番外編付き
「そうだったなぁ〜。
登山の時は毎週土曜日に村田君と登ってたな。
村田君は、月曜日になると湿布を貼って出勤してたもんなぁ〜ハハハ。
思い出した!
月曜日の役職者の会議で、ザワザワしてる時に営業部長がさ〜
"誰だよ、湿布臭いぞ〜日頃から鍛えろよな〜"
って言ったら、村田君が困った顔をして"湿布臭くてすみません…。
鍛えるように頑張ります" って言ったらさ〜
営業部長が真っ青になった事があったわ〜」
「あ〜!覚えてる。
あれは俺も親父も常務も肩を揺らして、笑うの堪えたよな!
村田専務は、部課長たちに湿布臭いですが我慢して下さいねって謝ってたし〜」
「くるみちゃんのおかげで、楽しい事を思い出して嬉しいなぁ〜。
蓮とチャンバラごっこした時は慶一郎に叱られたしな〜」
「だってさ〜社長室で大事な取引先の社長さんと話してるのに、隣りから「ヤラれた〜」とか「とりゃあー」とかさ〜。
その社長さんからは"楽しそうですね! サヤマさんは、豊かな発想の重役の方がいらっしゃるんですね"
って コッチは皮肉を言われたんだぞ!」
「ハハハ。ゴメン。」
「もう、20年くらい前の話だろう?」
「そうだが…その時は、悔しかったんだよ〜」
ハハハ!ギャハハ!とみんなで笑った。
お爺ちゃんも、会社ではお婆ちゃんに負けないくらい楽しい人だったんだなと、くるみは感じた。