宝物 番外編付き

「くるみ。蓮君とうまくやってる？
会社の創立パーティーに私も呼ばれたのよ。
着物着ちゃおうかなぁ〜。」

「あ、私も振袖だよね。　忘れてた〜」

「和装小物は、結納の時のがあるし大丈夫でしょ！　足袋だけ新調しよう。」

「うん！」

「ねぇ、くるみ…」

「ん？　何？」

「あのさ〜、まだまだ先の話しになるけど聞いておいて欲しいんだけどね…
もし、万が一、私が死んだらさ〜」

「ヤダ〜！　お婆ちゃん。まだまだ先ジャン」

「そうなんだけど！！　もしもの時は、
丸川さんちの正人君に頼んであるからね！
ホラ、相続とかいろいろ面倒なのがあるじゃん？　
ウチのお父さんも突然だったから、
その時は、丸川さんのご主人に助けてもらったのよ〜。
だから、くるみは安心して遺産を貰ってね！
ハハハ！　こんな話しする人に限って、
長生きするもんだよね〜！　ハハハ！」

「もう〜！　お婆ちゃんったら〜！
ハハハ！　いつまでも長生きしてね！」

「ハイよ〜。　
フラダンスも、もっと上手くなりたいし〜
卓球だって、シニアチャンピオンになりたいし〜。
くるみに赤ちゃんが産まれたら、幼稚園や小学校の運動会に応援しに行くつもりだからね〜！」

「お婆ちゃんが出場しそう！　ハハハ！」

「それもいいわね〜！　ハハハ！」